益成屋旅館
酸性・含硫黄-アルミニウム-硫酸塩・塩化物泉(硫化水素型) | pH |
|
Acidic,Sulfur containing-Aluminum-Sulfate/Chloride springs | ||
(低張性 酸性 高温泉) | ||
旧泉質名:- |
こんな人に最適
- アトピーなど皮膚トラブルでお悩みの方
- 冷え性の方
- 顔のシミが気になる方
- ストレスを軽減したい方
- 住所
- 〒377-1711 群馬県吾妻郡草津町406
- TEL
- 0279-88-2005
源泉 | 利用状況 | |
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湧出状況 |
温泉力 チャート(5段階評価)
※大浴場「弁天の湯(女湯)」の場合
水素イオン濃度 (pHペーハー)
- 一言コメント
- 多少ピリッと感じる殺菌効果の高い温泉
温泉スペック
※環境省から2014年7月に改訂された「鉱泉分析表指針」の泉質別適応症を元に、分かりやすく表現したものです。
①メンタル回復 | ②不眠症 | ③血行促進 | ④冷え性 | ⑤ドライスキン |
⑥きりきず | ⑦皮膚病 | ⑧高血圧(軽症) | ⑨胸やけ(飲用)) | ⑩胃腸の不調(飲用) |
⑪便秘(飲用) | ⑫生活習慣病 | ⑬糖尿病 | ⑭痛風 | ⑮メタボ対策 |
⑯胆道系の不安 | ⑰貧血 | ⑱関節リウマチ | ⑲脊椎の痛み | ⑳免疫力アップ |
㉑筋肉痛・神経痛 | ㉒軽い喘息 | ㉓痔の痛み | ㉔病後回復 | ㉕疲労回復 |
- ※注①・・・泉質別適応症に、自律神経不安定症、うつ状態がある泉質(単純温泉・塩化物泉・硫酸塩泉・二酸化炭素泉)。
- ※注③・・・泉質別適応症に、末梢循環障害がある泉質(塩化物泉・炭酸水素塩泉・二酸化炭素泉・硫化水素型の硫黄泉)。
- ※注④・・・泉質別適応症に、冷え性がある泉質(塩化物泉・炭酸水素塩泉・硫酸塩泉・二酸化炭素泉)と含鉄泉。
- ※注⑦・・・泉質別適応症に、皮膚乾燥症、アトピー性皮膚炎、尋常性乾癬、表皮化膿症、慢性湿疹がある泉質(塩化物泉・炭酸水素塩泉・硫酸塩泉・酸性泉・硫黄泉)。
- ※注⑨・・・飲用の泉質別適応症に、逆流性食道炎がある泉質(炭酸水素塩泉)。
- ※注⑩・・・飲用の泉質別適応症に、萎縮性胃炎、胃十二指腸潰瘍がある泉質(塩化物泉・炭酸水素塩泉)。
- ※注⑪・・・飲用で、塩化物泉と硫酸塩泉。
- ※注⑫・・・泉質別適応症に、高コレステロール血症、糖尿病、痛風がある泉質(浴用で、酸性泉・放射能泉/飲用で、炭酸水素塩泉・含よう素泉・硫黄泉)。
- ※注⑮・・・飲用の泉質別適応症に、高コレステロール血症がある泉質(硫酸塩泉・含よう素泉・硫黄泉)。
- ※注⑱⑲・・・泉質別適応症に、関節リウマチ、剛直性脊椎炎がある泉質(放射能泉)。
- ※注⑳・・・放射能泉。
- ※注㉑㉔・・単純温泉は、刺激が少ないのでリハビリに適しており、泉質別適応症にはないが「神経痛の湯」「脳卒中(中風)の湯」とも呼ばれている。
泉質別適応症に該当 | 一般的適応症に該当 |
美肌の湯 7要素
合計4ポイント ※「美肌の湯」と呼ばれる泉質をポイント数で表しました。
クレンジング・なめらか効果 | シワ防止・蘇生効果 | 美白・シミ予防効果 |
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炭酸水素塩泉 | 硫酸塩泉 | 硫黄泉 |
角質除去・つるすべ効果 | コーティング・保湿効果 | しっとり・保湿効果 | 洗浄効果 |
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(弱)アルカリ性の温泉 | 塩化物泉 | メタけい酸(100mg/kg以上) | メタほう酸(10mg/kg以上) |
- ※「四大美人泉質」は「炭酸水素塩泉」「硫酸塩泉」「硫黄泉」「(弱)アルカリ性単純温泉」と言われています。
- ※「塩化物泉」は塩分パックで肌をコーティングする事で、保温・保湿効果と同時に、温泉成分をキープしてくれます。角質が除去された「美人の湯」の後に入る「仕上げの湯」とも呼ばれています。
- ※メタけい酸が、100mg/kg以上含有している温泉は、保湿効果が優れ、「美肌の湯」と言われています。
- ※「メタほう酸」は洗浄作用があり、目薬にも一部使用され、にきびにも効果があると言われています。
湯ざわり(入浴時)感触メーター(5段階評価)
つるつる | とろとろ | ||||||||||
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さらさら | もちもち | ||||||||||
しゅわしゅわ | ぴりぴり | ||||||||||
大浴場・内湯で判定 |
湯あがり(入浴後)感触メーター(5段階評価)
すべすべ | かさかさ | ||||||||||
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さらさら | ぺたぺた | ||||||||||
しっとり | ぽかぽか | ||||||||||
大浴場・内湯で判定 |
露天風呂からの眺望メーター(5段階評価)
眺望 | - |
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浴場名 | 露天風呂無し |
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評価 - |
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源泉の利用状況
加水 なし |
加温 なし |
消毒 なし |
循環 なし |
入浴剤 なし |
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○ | ○ | ○ | ○ | ○ |
※源泉100%かけ流し・・・すべてのお風呂が循環ろ過・消毒をしていない。 |
源泉率 | 100% | ||||
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湯の入替 | 大浴場・・・5日ごと 貸切風呂・・・2日ごと |
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源泉の湧出状況 | 自然湧出 | ||||
源泉から湯舟までの距離 | 大浴場(白旗源泉)・・・およそ100m 貸切風呂(白旗源泉)・・・およそ100m 貸切風呂(湯畑)・・・およそ800m |
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引湯方法 | パイプで引湯 | ||||
飲泉 | 不可 | ||||
源泉かけ流し風呂 | すべてのお風呂 |
温泉成分表 温泉分析書
泉質名 | 酸性・含硫黄-アルミニウム-硫酸塩・塩化物泉(硫化水素型)(低張性 酸性 高温泉) 旧泉質名:- |
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湯の色 | 無色透明 緑がかった乳白色 |
湯の香り | 卵が腐ったような硫黄臭 |
溶存成分量 | 1,784mg/kg ※有効成分が市販の入浴剤の約12~18倍! |
泉温 | 白旗源泉51.9℃/湯畑52.3℃(調査時の気温29℃) |
pH値 | 2.0(酸性) |
湧出量 | 「白旗源泉」15.1ℓ/分 「湯畑源泉」5.41ℓ/分 ・・・合計20.42ℓ/分 一人あたりの温泉利用量(湧出量/収容人数) :約1.27リットル/人(最大収容人数16人) |
温泉の成分(源泉1kg中に含有する分量) 「白旗源泉」
①陽イオン | ミリグラム | ミリバル | ミリバル% |
---|---|---|---|
水素イオン(H+)★ | 9.3 | 9.26 | 35.48 |
アルミニウムイオン(Al3+)★ | 47.1 | 5.23 | 20.04 |
カルシウムイオン(Ca2+) | 78.0 | 3.89 | 14.92 |
マグネシウムイオン(Mg2+) | 41.2 | 3.39 | 12.99 |
ナトリウムイオン(Na+) | 67.0 | 2.91 | 11.13 |
カリウムイオン(K+) | 26.3 | 0.67 | 2.57 |
鉄(Ⅱ)イオン(Fe3+)★ | 18.5 | 0.66 | 2.54 |
マンガン(Ⅱ)イオン(Mn2+) | 1.9 | 0.07 | 0.27 |
アンモニウムイオン(NH4+) | 0.3 | 0.02 | 0.06 |
計① | 289.6 | 26.10 | 100.00 |
②陰イオン | ミリグラム | ミリバル | ミリバル% |
---|---|---|---|
硫酸イオン(SO42-)★ | 685.5 | 14.27 | 54.32 |
塩化物イオン(Cl-)★ | 328.1 | 9.25 | 35.22 |
硫酸水素イオン(HO4s) | 215.5 | 2.22 | 8.45 |
ふっ化物イオン(F-)★ | 10.0 | 0.53 | 2.01 |
計② | 1239 | 26.27 | 100.00 |
③非解離成分 | ミリグラム | ミリモル | |
---|---|---|---|
メタけい酸(H2SiO3)★ | 240.6 | 3.08 | |
メタほう酸(HBO2)★ | 9.6 | 0.22 | |
硫酸(H2SO4) | 5.1 | 0.05 | |
計③ | 255.3 | 3.35 |
溶存ガス成分 | ミリグラム | ミリモル | |
---|---|---|---|
遊離二酸化炭素(CO2) | 29.3 | 0.67 | |
遊離硫化水素(H2S)★ | 6.4 | 0.19 | |
計④ | 35.7 | 0.86 |
その他微量成分 | |||
---|---|---|---|
鉛イオン:0.013mg/kg、総ヒ素:0.25mg/kg、 |
★のマークがついているところは、「泉質名」に関わる成分と、「温泉」「療養泉」の資格条件になる成分です。
温泉の成分(源泉1kg中に含有する分量) 「湯畑源泉」
①陽イオン | ミリグラム | ミリバル | ミリバル% |
---|---|---|---|
水素イオン(H+)★ | 10.0 | 9.92 | 37.63 |
アルミニウムイオン(Al3+)★ | 49.1 | 5.46 | 20.69 |
カルシウムイオン(Ca2+) | 73.1 | 3.65 | 13.83 |
マグネシウムイオン(Mg2+) | 39.4 | 3.24 | 12.30 |
ナトリウムイオン(Na+) | 59.7 | 2.60 | 9.85 |
カリウムイオン(K+) | 30.0 | 0.77 | 2.91 |
鉄(Ⅱ)イオン(Fe3+)★ | 17.8 | 0.64 | 2.41 |
マンガン(Ⅱ)イオン(Mn2+) | 2.0 | 0.07 | 0.28 |
アンモニウムイオン(NH4+) | 0.5 | 0.03 | 0.10 |
計① | 281.6 | 26.38 | 100.00 |
②陰イオン | ミリグラム | ミリバル | ミリバル% |
---|---|---|---|
硫酸イオン(SO42-)★ | 674.4 | 14.04 | 53.62 |
塩化物イオン(Cl-)★ | 329.0 | 9.28 | 35.43 |
硫酸水素イオン(HO4s) | 227.1 | 2.34 | 8.93 |
ふっ化物イオン(F-)★ | 10.1 | 0.53 | 2.02 |
計② | 1241 | 26.19 | 100.00 |
③非解離成分 | ミリグラム | ミリモル | |
---|---|---|---|
メタけい酸(H2SiO3)★ | 242.7 | 3.11 | |
メタほう酸(HBO2)★ | 9.8 | 0.22 | |
硫酸(H2SO4) | 5.7 | 0.06 | |
計③ | 258.2 | 3.39 |
溶存ガス成分 | ミリグラム | ミリモル | |
---|---|---|---|
遊離二酸化炭素(CO2) | 46.9 | 1.07 | |
遊離硫化水素(H2S)★ | 6.2 | 0.18 | |
計④ | 53.1 | 1.25 |
その他微量成分 | |||
---|---|---|---|
鉛イオン:0.013mg/kg、総ヒ素:0.25mg/kg、 |
★のマークがついているところは、「泉質名」に関わる成分と、「温泉」「療養泉」の資格条件になる成分です。
この泉質ならではの適応症(2014年7月1日改定)
尋常性乾癬、耐糖能異常(糖尿病)、表皮化膿症、アトピー性皮膚炎、慢性湿疹、きりきず、末梢循環障害、冷え性、うつ状態、皮膚乾燥症
浴用の一般的適応症(2014年7月1日改定)
筋肉若しくは関節の慢性的な痛み又はこわばり(関節リウマチ、変形性関節症、腰痛症、神経痛、五十肩、打撲、捻挫などの慢性期)、運動麻痺における筋肉のこわばり、冷え性、末梢循環障害、胃腸機能の低下(胃がもたれる、腸にガスがたまるなど)、軽症高血圧、耐糖能異常(糖尿病)、軽い高コレステロール血症、軽い喘息又は肺気腫、痔の痛み、自律神経不安定症、ストレスによる諸症状(睡眠障害、うつ状態など)、病後回復期、疲労回復、健康増進
この泉質ならではの浴用の禁忌症(2014年7月1日改定)
皮膚または粘膜の過敏な人、高齢者の皮膚乾燥症
浴用の一般的禁忌症(2014年7月1日改定)
病気の活動期(特に熱のあるとき)、活動性の結核、進行した悪性腫瘍又は高度の貧血など身体衰弱の著しい場合、少し動くと息苦しくなるような重い心臓又は肺の病気、むくみのあるような重い腎臓の病気、消化管出血、目に見える出血があるとき、慢性の病気の急性増悪期
飲用の適応症
飲用不可
分析日(上記の温泉成分表は下記機関の調査データより引用)
2023年8月8日(群馬県薬剤師会・環境衛生試験センター)
- ※適応症・禁忌症に関しては、平成26年7月の改正の「鉱泉分析法指針」に準拠しています。
- ※宿よりデータを提供して頂きました。
「温泉」の資格20項目と「療養泉」の資格8項目
条件/成分(1kg中の割合) ※ひとつでも条件をクリアすれば「温泉」「療養泉」 |
A【温泉法】 「温泉」の条件(規定値) |
B【鉱泉分析法指針】 「療養泉」の条件(規定値) |
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1 | 温度(泉源から採取される時点) | 25℃以上 | |
2 | 溶存物質(ガス性のものを除く) | 総量1000mg以上 | |
3 | 遊離二酸化炭素(遊離炭酸) (CO2) | 250mg以上 | 1000mg以上(二酸化炭素泉) |
4 | リチウムイオン(Li+) | 1mg以上 | ― |
5 | ストロンチウムイオン(Sr2+) | 10mg以上 | ― |
6 | バリウムイオン(Ba2+) | 5mg以上 | ― |
7 | 総鉄イオン[Fe2+(鉄(Ⅱ)イオン/フェロイオン)+Fe3+(鉄(Ⅲ)イオン/フェリイオン)] | 10mg以上 | 20mg以上(含鉄泉) |
8 | マンガン(Ⅱ)イオン(第一マンガンイオン)(Mn2+) | 10mg以上 | ― |
9 | 水素イオン(H+) | 1mg以上 | 1mg以上(酸性泉) |
10 | 臭化物イオン(Br-) | 5mg以上 | ― |
11 | よう化物イオン(I-) | 1mg以上 | 10mg以上(含よう素泉) |
12 | ふっ化物イオン(F-) | 2mg以上 | ― |
13 | ひ酸水素イオン(ヒドロひ酸イオン)(HAsO42-) | 1.3mg以上 | ― |
14 | メタ亜ひ酸 (HAsO2) | 1mg以上 | ― |
15 | 総硫黄 (S) [HS-(硫化水素イオン)+ S2O32-(チオ硫酸イオン)+ H2S(遊離硫化水素)] | 1mg以上 | 2mg以上(硫黄泉) |
16 | メタほう酸(HBO2) | 5mg以上 | ― |
17 | メタけい酸(H2SiO3) | 50mg以上 | ― |
18 | 炭酸水素ナトリウム(重炭酸ソーダ)(NaHCO3) | 340mg以上 | ― |
19 | ラドン(Rn) | 20ナノキューリー以上 20×10-10Ci(キューリー)以上 20(20百億分の1キューリー単位)以上 =74Bq(ベクレル)/5.5マッヘ以上 |
30ナノキューリー以上(放射能泉) 30×10-10Ci(キューリー)以上 30(百億分の1キューリー単位)以上 =111Bq(ベクレル)/8.25マッヘ以上 |
20 | ラジウム塩(Raとして) | 10-8mg以上 1億分の1㎎以上 |
― |
この温泉・療養泉の資格条件 クリア数 | 8(20項目中) | 4(8項目中) | |
合計 12 ポイント |
温泉の言い伝え/その他
伝承による効能
皮膚病
この湯に浸かった歴史上の人物
源頼朝 大谷吉継 前田利家 小林一茶
この湯に浸かった著名人
志賀直哉 岡本太郎
温泉の解説
この宿は、草津温泉の代表的な源泉「白旗源泉」と「湯畑」から引いている。いずれも泉質名は「酸性・含硫黄-アルミニウム-硫酸塩・塩化物泉(硫化水素型)」。
日本では温泉を10種類に分類しているが、そのうち「酸性泉」「硫黄泉」「硫酸塩泉」「塩化物泉」・・・と、4種類の温泉の特徴を持っている事になる。
まず「酸性泉」は、温泉水1kg中に、水素イオンを1mg以上含有していることが条件のひとつ。この温泉のpH値(水素イオン濃度)は、酸性の2.0・・・とあるように、強い酸性を示す場合が多い。
殺菌力が非常に高く、アトピー性皮膚炎、トリコモナス膣炎や水虫などにも有効であり、肌表面のトラブルの原因を広く取り除くので、「皮膚病の湯」と言われている。
他に、泉質別適応症には、尋常性乾癬、耐糖能異常(糖尿病)、表皮化膿症とある。
不思議なのは、源泉から湧出した直後の湯の色は、無色透明なのだが、湯畑で見られるように、ミルキーなエメラルドグリーンに見える。実はこの色の原因は「出湯粉米(イデユコゴメ)」という微生物が関係しているという。酸性の湯という過酷な環境を好む単細胞で、藻の一種であり、日本国内では草津温泉が一番の繁殖地とも言われているのだ。
次に「硫黄泉」だが、その条件のひとつは、温泉水1㎏中に、総硫黄(①硫化水素イオン+②チオ硫酸イオン+③遊離硫化水素の合計)を2㎎以上含有すること。 硫黄泉はさらに2種類あり、①+②が主体の「硫黄型」と、③が多い「硫化水素型」とあるが、ここ草津温泉では「硫化水素型の硫黄泉」となる。
湯の色は乳白色となる場合が多く、泉質別適応症も「酸性泉」と共通項が多く、アトピー性皮膚炎、尋常性乾癬、慢性湿疹、表皮化膿症、末梢循環障害となる。
「硫黄泉」は「酸性泉」と同じく殺菌効果が高いので、肌表面のトラブル全般に効く「皮膚病の湯」とされているが、さらに「硫黄泉」は余分の皮脂を取り除くので、ニキビが出やすい人、オイリースキンの方には相性がよく、シミの原因物質であるメラニンの生成を抑えるので「シミ予防の湯」とも呼ばれ、さらに美白効果も期待できる。つまり、「硫黄泉」は典型的な「美肌の湯」なのである。
付け加えて、ぜんそくを和らげる効果や、痰のキレをよくすることから「痰の湯」と呼ばれる事もある。
気を付けなければならないのは、指輪やネックレスの金属類は硫黄成分による変色があるので、入浴の際は必ず外すことを覚えていてほしい。
浴用の泉質別禁忌症としては、皮膚又は粘膜の過敏な人、高齢者の皮膚乾燥症(※酸性泉と同じ)。
つまり、「硫黄泉」は「酸性泉」と同じく、刺激が強い泉質なので、病弱者、高齢者、肌の弱い人には注意が必要で、「湯あたり」しやすいと言える。 「酸性泉」~殺菌の湯と、「硫黄泉(硫化水素型)」~美肌の湯の組み合わせの泉質は、名湯と呼ばれる温泉に多い。ただし、効能が強い分、肌への負担も多いという事を覚えておいて欲しい。
「硫酸塩泉」の条件のひとつは、陰イオンの主成分が硫酸イオンであること。
浴用の泉質別適応症は、きりきず、末梢循環障害、冷え性、うつ状態、皮膚乾燥症となる。
温泉分析書を見ると、陽イオンにアルミニウムイオンが豊富に入っており、それが硫酸塩泉と結びつき、旧泉質名で言うと「明礬泉(みょうばんせん)」となる。それは、とは、タンパク質を変性させることにより組織や血管を縮めるといういわゆる収斂作用(しゅうれんさよう)が働き、肌を引き締め、さらには新陳代謝を活性化させ肌の蘇生を促す。 よって、きりきず、火傷、ニキビ、乾癬(かんせん)、かゆみ、慢性湿疹などに有効なので、「傷の湯」とも呼ばれる。
また、「硫酸塩泉」は皮膚の余分な脂分を洗い流す力があるため、オイリースキンの方にも効果が高い。
さらに硫酸イオンは、血液に多くの酸素を送り込む作用と、肌に水分を補給させ、肌に張りと潤いを与えるアンチ・エイジング作用がある。よって「若返りの湯」と言われるのだ。さらには、「硫黄泉」と同様「美肌の湯」とも称される。
最後に「塩化物泉」についてだが、こちらの泉質別適応症も「硫酸塩泉」と同じで、きりきず、末梢循環障害、冷え性、うつ状態、皮膚乾燥症の5つ。
塩分には殺菌作用があるので「傷の湯」の代表格なのだ。
また、塩化物泉は「温まりの湯」または「熱の湯」と言われることがある。源泉中の塩分が肌に付着し皮膜を形成し、この皮膜が湯上がり後もパックのように働いて汗腺を塞ぐので、発汗による体温低下を防ぐからだ。保温効果がとても高く、ポカポカする状態が長続きするため、末梢循環障害・冷え性が適応症として認められる。冷え性は他の泉質でも適応症として認められるが、塩化物泉は特に効果が高いと考えられる。
この温泉パックは湯上がり後の肌の乾燥も防ぐので皮膚乾燥症の適応症としても効果が高いと言えるだろう。
そして、先の「硫酸塩泉」と同じく、うつ状態が泉質別適応症として認められるのは、「酸性泉」や「硫黄泉」と比べれば、低刺激性の泉質によるものだろう。
陽イオン、陰イオン以外の非解離成分である「メタけい酸」の量にも注目したい。
源泉1kgあたり200mg以上も含まれており、これは温泉の基準値(50mg/kg)の4倍以上含まれている事を意味する。「メタけい酸」は一部の化粧水の原料として使われるなど、保湿作用がある。「メタけい酸」が多く含む温泉は、いわゆる「美肌の湯」と言ってもいいだろう。
さらには「メタほう酸」の量もすごい。こちらも温泉の基準値(5mg/kg)の倍近く含まれている。
洗浄作用があり、目薬にも一部使用され、にきびにも効果があると言われています。
以上「日本の名湯」と呼ばれるに値する極上の泉質であるが、その湯の使い方も徹底している。
循環ろ過・消毒をせず、常に新しい温泉を湯舟に注ぎ、オーバーフローさせて常に新しい温泉に入れ替わる、いわゆる“源泉かけ流し”は当然ながら、その温度調節にも、その日の気温を考慮しながら、源泉を湯口から浴槽に注ぐ量を調節して、適温にしている宿の苦労は毎日の手作業であり、相当な労力を要するものだろう。
「草津温泉」は、モーターによる源泉を地下からくみ上げるといった作業がない「自然湧出」の温泉で日本一の量を誇る。地表に近い源泉から溢れ出る温泉は、それだけ不純物が入る可能性が少ないという意味あいもあるのだ。そしてその温泉の有効成分も上記のようにすこぶる多い事がお分かりだろう。
この自然の恵み、大地の贈り物を心ゆくまで体感して欲しいものだ。
大浴場「弁天の湯」・男湯 | 大浴場「弁天の湯」の湯口 |
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豪華な檜の浴槽が目を引く大浴場「弁天の湯」。客室は6部屋しかない宿のうえに、専用の貸切風呂があるおかげで満室時でも混みあう事があまりない贅沢がここにある。 | 男女別大浴場「弁天の湯」は草津温泉を代表する「白旗源泉」を引いている。源泉かけ流しのミルキーなエメラルドグリーンの湯は、極上の湯浴みを堪能できる。 |
貸切風呂「瑠璃の湯」 | 貸切風呂「関の湯」 |
客室ごとに提供している貸切風呂は客室数と同じで6つある。こちらの「瑠璃の湯」と「千代の湯」の2つは「白旗源泉」を引いている。名湯を独り占めできるお風呂。 | こちらの「関の湯」と「熱の湯」「鷲の湯」「松の湯」の4つは「湯畑源泉」を使用している。小さいながらも、いつでも好きな時間に気兼ねなく入浴できる温泉風呂は貴重。 |
宿レポート
活火山・草津白根山の東麓にある草津温泉は、群馬県と言うより、日本を代表する温泉地として知られている。江戸時代(1603~1868年)に相撲番付(力士のランキング表)にならって作られた温泉番付では、東の最高位(大関)に草津温泉がランクインしていた。明治時代(1868~1912年)に来日したドイツのベルツ博士は、日本では「近代医学の父」と称されているが、その彼が、標高1200ⅿの冷涼な気候と、ヨーロッパでは珍しい強酸性の草津温泉をいたく気に入り、その後、温泉成分を研究し温泉療法を提唱した。
現在でも草津温泉は「泉質主義」というテーマを掲げ、その源泉そのものはもちろん、湯畑を中心に構成している街作りも評価され、常に国内では最高の人気を誇っている。
源泉は、「万代鉱(ばんだいこう)源泉」(6020ℓ/分)、「湯畑源泉」(4040ℓ/分)、「西の河原(さいのかわら)源泉」(1073ℓ/分)、「煮川源泉」(817ℓ/分)、「白旗源泉」(659ℓ/分)、「熱の湯源泉」(298ℓ/分)、「地蔵源泉」(252ℓ/分)など複数あるが、いずれも日本有数の強い酸性の泉質。その源泉の合計の湧出量はなんと32,300ℓ/分! 地下深く掘削してモーターによる汲み上げをしない「自然湧出」の温泉湧出量としては、国内1位を誇っている。
草津温泉のシンボル「湯畑」から徒歩1分の距離という絶好の場所にあるのが「益成屋旅館」。使用している源泉は「白旗源泉」と「湯畑源泉」の2種類。「白旗源泉」は鎌倉幕府を開いた将軍・源頼朝(1147~1199年)が、1193年に草津に来て発見し入浴したと言われている由緒ある源泉。湯畑の近くに草津温泉最大の共同湯「白旗の湯」もこの源泉を使用している。
全6部屋の小さな旅館だが、その特徴は、部屋ごとに専用の温泉風呂が占有できるという事。つまり、チェックアウトまで、他の客が入れない、自分専用のお風呂という事だ。
料理も、オーナー自ら包丁を握り、ゲストに提供している。館内は女将の手による押し花アートが飾られ、癒しの空間を演出している。小規模ゆえに、落ち着いた静かな環境で、こころゆくまで日本の名湯を体感できる湯宿と言えるだろう。
宿泊レポートはコチラ
料金データ
1泊2食料金 | 24,350円~ |
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宿泊時の貸切風呂料金 | 無料 |
日帰り | 休止 |
日帰り貸切温泉 | 休止 |
宿データ
創業 | 1969年(昭和44年) |
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チェックイン | 14:00 |
チェックアウト | 10:00 |
部屋数 | 全6室(和室6) |
最大収容人数 | 16名 |
駐車場 | 6台 |
施設 | 売店 |
インターネット | WiFiあり |
バリアフリー | 非対応 |
シャワー付きトイレ | 客室すべてに設置 |
交通アクセス
電車 | JR上野駅・上越・吾妻線・新特急草津号→約3時間でJR長野県草津口駅→JRバス草津温泉行き→約25分・JR草津温泉バスターミナル→徒歩5分 |
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バス | バスタ新宿にてJR高速バス・上州湯めぐり号→約4時間でJR草津温泉バスターミナル→徒歩5分 |
クルマ | 関越自動車道・練馬IC→約3時間・渋川伊香保ICで降りる→国道17・353・145・292号を利用。 |
住所 | 群馬県/草津温泉/益成屋旅館 〒377-1711 群馬県吾妻郡草津町406 TEL:0279-88-2005 |
- データ制作
- 2024/03/19