温泉&旅 倶楽部

泉質別の解説

一般的な適応症と禁忌症、各泉質別の適応症と禁忌症をご紹介します。

②塩化物泉

Chloride springs

塩分パックの「熱の湯」/殺菌効果の「傷の湯」

温泉水1kg中に、溶存物質量(ガス性のものを除く)が1,000mg以上あり、陰イオンの主成分が塩化物(塩素)イオン(Cl-)の温泉。
陽イオンの主成分により、「ナトリウム-塩化物泉」、「カルシウム-塩化物泉」、「マグネシウム-塩化物泉」などに分類される。塩分が主成分となっているので、飲用すると塩辛く、塩分濃度が濃い場合やマグネシウムが多い場合は苦く感じられる。「ナトリウム-塩化物泉」の中でも、ナトリウムイオン5.5g(5500mg)/kg 以上,塩化物イオン8.5g(8500mg)/kg 以上。または、塩化ナトリウムとして240mva1/kg 以上の場合「ナトリウム-塩化物強塩泉」という。有馬温泉の「金泉」がその代表例だ。
「塩化物泉」の泉質別適応症は、きりきず、末梢循環障害、冷え性、うつ状態、皮膚乾燥症。
塩分に含む温泉に浸かると、塩分がまるでパックのように身体を覆ってくれる。このパックが汗腺(汗を分泌する器官)を塞ぐので、湯上がり後の体温低下が緩やかになりポカポカ感が長続きするのだ。このため「塩化物泉」は「熱の湯」とも呼ばれる。冷え性は、塩化物泉以外の泉質も適応症として認められることがあるが、塩化物泉は特に効果が高いと考えられる。
同時に、長続きするポカポカ感は、末梢循環障害の改善に役立つだろう。またこの塩分パックは、温泉成分のコーティング効果による保湿作用のため、湯上がり後の皮膚乾燥も抑えてくれる。
皮膚の古い角質を取る、「(弱)アルカリ性単純温泉」「炭酸水素塩泉」「硫酸塩泉」「硫黄泉」などの、いわゆる「美肌の湯」の温泉に入った後の「塩化物泉」は、塩分コーティング&保湿作用で「仕上げの湯」とも称される。違う泉質の温泉の湯めぐりをする際は、参考にしていただきたい。
また、塩分の殺菌作用で、きりきずや火傷に効果が発揮され「傷の湯」と呼ばれることもある。
飲用の泉質別適応症としては、胃腸の消化液の分泌を促進するため、萎縮性胃炎、便秘がラインナップされている。ちなみに、便秘が飲用の泉質別適応症に入っているのは「塩化物泉」と「硫酸塩泉」だけである。
数年前までは「塩化物泉」は、日本国内では自然湧出する温泉では一番多い泉質だったが、現在は温泉の掘削技術の発達により「単純温泉」が伸びて、この2つの泉質が湧出量のトップを争っている。

泉質別適応症 浴用

きりきず、末梢循環障害、冷え性、うつ状態、皮膚乾燥症 ※硫酸塩泉と同じ

飲用

萎縮性胃炎、便秘

泉質別禁忌症 浴用

なし

飲用

なし

  • ■旧泉質名・・・食塩泉
  • ■湯の色・・・無色透明
  • ■味・香り・・・塩辛い・無臭
  • ■湯ざわり・・・塩分が多いほど、べたつき感
  • ■主な温泉施設・・・北海道・定山渓温泉「ぬくもりの宿 古かわ」/山形県・かみのやま温泉「有馬館」/神奈川県・箱根湯本温泉「箱根 花紋」/神奈川県・箱根宮ノ下温泉「箱根吟遊」/神奈川県・湯河原温泉「湯河原 源泉のお宿 千代田荘」/新潟県・越後長野温泉/石川県・よしが浦温泉「ランプの宿」/兵庫県・有馬温泉「竹取亭円山」/兵庫県・城崎温泉「湯めぐりの宿 錦水」/大分県・筋湯温泉「山あいの宿 喜安屋」/熊本県・黒川温泉「ふもと旅館」
  • この泉質の宿一覧

一般的適応症

※すべての泉質に関わる適応症。

浴用

筋肉若しくは関節の慢性的な痛み又はこわばり(関節リウマチ、変形性関節症、腰痛症、神経痛、五十肩、打撲、捻挫などの慢性期)、運動麻痺における筋肉のこわばり、冷え性、末梢循環障害、胃腸機能の低下(胃がもたれる、腸にガスがたまるなど)、軽症高血圧、耐糖能異常(糖尿病)、軽い高コレステロール血症、軽い喘息又は肺気腫、痔の痛み、自律神経不安定症、ストレスによる諸症状(睡眠障害、うつ状態など)、病後回復期、疲労回復、健康増進

飲用

※飲用には一般的適応症はありません。

一般的禁忌症

※すべての泉質に関わる禁忌症。

浴用

病気の活動期(特に熱のあるとき)、活動性の結核、進行した悪性腫瘍又は高度の貧血など身体衰弱の著しい場合、少し動くと息苦しくなるような重い心臓又は肺の病気、むくみのあるような重い腎臓の病気、消化管出血、目に見える出血があるとき、慢性の病気の急性増悪期

飲用

※飲用には一般的禁忌症はありません。

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この記事の執筆者

執筆者:温泉コム株式会社 CEO 大竹仁一

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