温泉&旅 倶楽部

泉質別の解説

一般的な適応症と禁忌症、各泉質別の適応症と禁忌症をご紹介します。

⑩放射能泉

Radioactive springs

痛風の湯/免疫力アップの万病の湯/「吸う」温泉

「放射能泉」は、温泉水1㎏中に、ラドンを3ナノキュリー/30×10-10Ci(30かける10のマイナス10乗キューリー)以上/30(百億分の1キューリー単位)以上/8.25マッヘ以上/111㏃(ベクレル)以上含有している温泉。通称「ラジウム泉」。
細かく分類すると、ラドン含有量が 8.25マッヘ以上、50マッヘ未満の場合は「弱放射能泉」。50マッヘ以上の場合は「放射能泉」と呼ぶ。
「放射能泉」の大きな特徴としては、温泉に「入浴する」事と「飲泉する」事以外で、温泉から出る気体・ラドンを「吸う」事で温泉の効能の恩恵を受けられる事だ。
無色透明な「放射能泉」の効能パワーは、肌には刺激は少ないが、カラダ全体への影響は、実に力強く、範囲も広いという事で「万病の湯」と呼ばれる。
まず、血液循環を促進し、代謝を活性化させる作用により、尿酸の排出スピードが上がる事で高尿酸血症(痛風)に有効とされる。浴用の泉質別適応症に「放射能泉」は唯一該当している事から「痛風の湯」とも称される。ちなみに「炭酸水素塩泉」の泉質別適応症では、飲用に限り「高尿酸血症(痛風)」が該当している。 また、「放射能泉」は抗炎症作用があり、関節リウマチの症状である関節の炎症や痛みを軽減する効果も期待できる。同じく強直性脊椎炎は、脊椎や関節が硬化して動きにくくなる疾患だが、「放射能泉」の鎮痛作用が役立つとされている。
ところで、放射能と聞くと、ちょっとドキッとするのは人情。実際、発がん作用があるのも事実。しかし、それは簡単に言うと、量の問題。例えば、「放射能泉」を湧出している地域住民のがん発生率は、そうでない住民と比べてほぼ変わりない。もしくは発生率が低いとも言われている。また、日本国内には発がん性のある強力な放射能を発する「放射能泉」はない事も確認されている。つまり、「放射能泉」は、レントゲン等の放射線量よりずっと少ない量と思っていただければいいだろう。そして、ごく微量の放射能は、むしろ人体に良い影響、刺激を与えることが実証されている。これを「ホルミシス効果」と呼び、免疫力も上がると言われている。ちなみに、ラドンとは、ラジウムのアルファ崩壊によって生じる気体の事。湯の中から放出されたラドン(気体)は、呼吸によって体内に取り込まれるが、3時間ほどで排泄される。気密性の高い浴室でラドンをより良く吸収させようとしている温浴施設が「ラドン温泉」と称しているところもあるようだが、実際は「ラドン温泉」も「ラジウム温泉」も明確な区別をしていないところが多い。
もうひとつ「放射能泉」の特徴として、「二酸化炭素泉」と同様に、効能の劣化が著しく早い事があげられる。つまり、新鮮で、源泉かけ流しが必須である事は確かだ。
「放射能泉」は、ラドンの含有量が多いと「湯あたり」しやすい泉質にもあげられる。また、「炭酸水素塩泉」「含鉄泉」「含よう素泉」と同様、日本国内では希少泉質にあげられる。

泉質別適応症 浴用 高尿酸血症(痛風)、関節リウマチ、強直性脊椎炎など
飲用 なし
泉質別禁忌症 浴用 なし
飲用 なし
  • ■旧泉質名・・・放射能泉(新泉質名と同じ)
  • ■湯の色・・・無色透明
  • ■味・香り・・・無味無臭
  • ■湯ざわり・・・さらさら感
  • ■主な温泉施設・・・新潟県・栃尾又温泉「自在館」/鳥取県・三朝温泉「依山楼岩崎」

一般的適応症

※すべての泉質に関わる適応症。

浴用

筋肉若しくは関節の慢性的な痛み又はこわばり(関節リウマチ、変形性関節症、腰痛症、神経痛、五十肩、打撲、捻挫などの慢性期)、運動麻痺における筋肉のこわばり、冷え性、末梢循環障害、胃腸機能の低下(胃がもたれる、腸にガスがたまるなど)、軽症高血圧、耐糖能異常(糖尿病)、軽い高コレステロール血症、軽い喘息又は肺気腫、痔の痛み、自律神経不安定症、ストレスによる諸症状(睡眠障害、うつ状態など)、病後回復期、疲労回復、健康増進

飲用

※飲用には一般的適応症はありません。

一般的禁忌症

※すべての泉質に関わる禁忌症。

浴用

病気の活動期(特に熱のあるとき)、活動性の結核、進行した悪性腫瘍又は高度の貧血など身体衰弱の著しい場合、少し動くと息苦しくなるような重い心臓又は肺の病気、むくみのあるような重い腎臓の病気、消化管出血、目に見える出血があるとき、慢性の病気の急性増悪期

飲用

※飲用には一般的禁忌症はありません。

運営会社

温泉コム株式会社
〒192-0063 東京都八王子市元横山町2-5-2 リビングステージ元横山301

※メディアへの素材提供、掲載のご依頼はこちらへお問い合わせください。

お問い合わせ

この記事の執筆者

執筆者:温泉コム株式会社 CEO 大竹仁一

おすすめ温泉

更新情報