温泉&旅 倶楽部

泉質別の解説

一般的な適応症と禁忌症、各泉質別の適応症と禁忌症をご紹介します。

⑤二酸化炭素泉

Carbon dioxide springs

炭酸ガスで血管拡張作用の「心臓の湯」

温泉水1kg中に、遊離二酸化炭素(遊離炭酸)(CO2)を1,000mg以上含有している温泉。
泉温は低い場合が多く、入浴するとカラダに炭酸ガスの気泡が付き、爽快感があるのが特徴。「泡の湯」と称される。ただし、泉温が高いものや加温をすると炭酸ガスが揮散する場合がある。
35℃前後の泉温の「二酸化炭素泉」に入浴すると、最初はひんやりと感じるが、皮膚に泡が付き始めると、じわじわとカラダが温まってくるのが分かる。炭酸ガスが皮膚に吸収され、血管を拡張するため、血行が良くなるからだ。したがって、心臓に負担をかけずに血行を促すので「心臓の湯」と呼ばれる。
カラダに気泡が付くような「二酸化炭素泉」を体感したいなら、やはり「源泉かけ流し」方式に限る。視覚でも楽しめる泉質でもあるが、泉温が低い事が多いため、どちらかといえば、暖かい季節に人気の泉質と言える。
だが冬場の長湯も捨てがたい。長時間入浴できるという事は、それだけ、皮膚から温泉の有効成分をたくさん取得できるという事。42℃以上の高温の名湯と呼ばれる“成分が濃い”温泉に入っても、3分が限度という人は多い。それであれば、心臓にも負担をかけない“ぬる湯” に長時間入るのも、有効な温泉浴と言える。
浴用の泉質別適応症として、きりきず、末梢循環障害、冷え性、自律神経不安定症とある。
飲用の泉質別適応症としては、胃腸機能低下とある。炭酸の爽やかな咽越しを楽しめる。
「二酸化炭素泉」は古い火山帯が多いヨーロッパでは数多く見られる。特に「飲泉」が非常にポピュラーになっている。日本はどちらかと言えば、活火山帯、新しい火山帯が多いため、この泉質は数少ない。「含鉄泉」「含よう素泉」「放射能泉」と並んで、希少泉質のひとつだ。

泉質別適応症 浴用 きりきず、末梢循環障害、冷え性、自律神経不安定症
飲用 胃腸機能低下
泉質別禁忌症 浴用 なし
飲用 なし
  • ■旧泉質名・・・単純炭酸泉
  • ■湯の色・・・無色透明
  • ■味・香り・・・無糖のミネラル炭酸水・無味無臭だが、わずかに酸味を感じる場合も。
  • ■湯ざわり・・・泡が付く泉温の場合、最初はひんやり感じるが、徐々に暖かく感じるようになる。
  • ■主な温泉施設・・・大分県・長湯温泉「丸長旅館」/大分県・長湯温泉「大丸旅館」/鹿児島県・妙見温泉「忘れの里 雅叙苑」

一般的適応症

※すべての泉質に関わる適応症。

浴用

筋肉若しくは関節の慢性的な痛み又はこわばり(関節リウマチ、変形性関節症、腰痛症、神経痛、五十肩、打撲、捻挫などの慢性期)、運動麻痺における筋肉のこわばり、冷え性、末梢循環障害、胃腸機能の低下(胃がもたれる、腸にガスがたまるなど)、軽症高血圧、耐糖能異常(糖尿病)、軽い高コレステロール血症、軽い喘息又は肺気腫、痔の痛み、自律神経不安定症、ストレスによる諸症状(睡眠障害、うつ状態など)、病後回復期、疲労回復、健康増進

飲用

※飲用には一般的適応症はありません。

一般的禁忌症

※すべての泉質に関わる禁忌症。

浴用

病気の活動期(特に熱のあるとき)、活動性の結核、進行した悪性腫瘍又は高度の貧血など身体衰弱の著しい場合、少し動くと息苦しくなるような重い心臓又は肺の病気、むくみのあるような重い腎臓の病気、消化管出血、目に見える出血があるとき、慢性の病気の急性増悪期

飲用

※飲用には一般的禁忌症はありません。

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この記事の執筆者

執筆者:温泉コム株式会社 CEO 大竹仁一

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