雲仙福田屋/山照別邸
Unzen Fukudaya / Yama Terrace Bettei English Page
酸性・含硫黄・鉄(Ⅱ ,Ⅲ ) ― カルシウム ― 硫酸塩泉(硫化水素型) | pH |
|
Acidic, Sulfur containing, Iron (Ⅱ,Ⅲ)-Calcium-Sulfate Springs (Hydrogen sulfide type) | ||
(低張性 酸性 高温泉) | ||
旧泉質名:酸性石膏硫化水素泉 |
こんな人に最適
- アトピーなど皮膚トラブルでお悩みの方
- 冷え性の方
- 顔のシミが気になる方
- ストレスを感じている方
- 住所
- 〒854-0621 長崎県雲仙市小浜町雲仙380-2
- TEL
- 0957-73-2151
源泉 | 利用状況 | |
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湧出状況 |
温泉力 チャート(5段階評価)
水素イオン濃度 (pHペーハー)
- 一言コメント
- 多少ピリッと感じる殺菌効果の高い温泉
温泉スペック
※環境省から2014年7月に改訂された「鉱泉分析表指針」の泉質別適応症を元に、分かりやすく表現したものです。
①メンタル回復 | ②不眠症 | ③血行促進 | ④冷え性 | ⑤ドライスキン |
⑥きりきず | ⑦皮膚病 | ⑧高血圧(軽症) | ⑨胸やけ(飲用)) | ⑩胃腸の不調(飲用) |
⑪便秘(飲用) | ⑫生活習慣病 | ⑬糖尿病 | ⑭痛風 | ⑮メタボ対策 |
⑯胆道系の不安 | ⑰貧血 | ⑱関節リウマチ | ⑲脊椎の痛み | ⑳免疫力アップ |
㉑筋肉痛・神経痛 | ㉒軽い喘息 | ㉓痔の痛み | ㉔病後回復 | ㉕疲労回復 |
- ※注①・・・泉質別適応症に、自律神経不安定症、うつ状態がある泉質(単純温泉・塩化物泉・硫酸塩泉・二酸化炭素泉)。
- ※注③・・・泉質別適応症に、末梢循環障害がある泉質(塩化物泉・炭酸水素塩泉・二酸化炭素泉・硫化水素型の硫黄泉)。
- ※注④・・・泉質別適応症に、冷え性がある泉質(塩化物泉・炭酸水素塩泉・硫酸塩泉・二酸化炭素泉)と含鉄泉。
- ※注⑦・・・泉質別適応症に、皮膚乾燥症、アトピー性皮膚炎、尋常性乾癬、表皮化膿症、慢性湿疹がある泉質(塩化物泉・炭酸水素塩泉・硫酸塩泉・酸性泉・硫黄泉)。
- ※注⑨・・・飲用の泉質別適応症に、逆流性食道炎がある泉質(炭酸水素塩泉)。
- ※注⑩・・・飲用の泉質別適応症に、萎縮性胃炎、胃十二指腸潰瘍がある泉質(塩化物泉・炭酸水素塩泉)。
- ※注⑪・・・飲用で、塩化物泉と硫酸塩泉。
- ※注⑫・・・泉質別適応症に、高コレステロール血症、糖尿病、痛風がある泉質(浴用で、酸性泉・放射能泉/飲用で、炭酸水素塩泉・含よう素泉・硫黄泉)。
- ※注⑮・・・飲用の泉質別適応症に、高コレステロール血症がある泉質(硫酸塩泉・含よう素泉・硫黄泉)。
- ※注⑱⑲・・・泉質別適応症に、関節リウマチ、剛直性脊椎炎がある泉質(放射能泉)。
- ※注⑳・・・放射能泉。
- ※注㉑㉔・・単純温泉は、刺激が少ないのでリハビリに適しており、泉質別適応症にはないが「神経痛の湯」「脳卒中(中風)の湯」とも呼ばれている。
泉質別適応症に該当 | 一般的適応症に該当 |
美肌の湯 7要素
合計3ポイント ※「美肌の湯」と呼ばれる泉質をポイント数で表しました。
クレンジング・なめらか効果 | シワ防止・蘇生効果 | 美白・シミ予防効果 |
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炭酸水素塩泉 | 硫酸塩泉 | 硫黄泉 |
角質除去・つるすべ効果 | コーティング・保湿効果 | しっとり・保湿効果 | 洗浄効果 |
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(弱)アルカリ性の温泉 | 塩化物泉 | メタけい酸(100mg/kg以上) | メタほう酸(10mg/kg以上) |
- ※「四大美人泉質」は「炭酸水素塩泉」「硫酸塩泉」「硫黄泉」「(弱)アルカリ性単純温泉」と言われています。
- ※「塩化物泉」は塩分パックで肌をコーティングする事で、保温・保湿効果と同時に、温泉成分をキープしてくれます。角質が除去された「美人の湯」の後に入る「仕上げの湯」とも呼ばれています。
- ※メタけい酸が、100mg/kg以上含有している温泉は、保湿効果が優れ、「美肌の湯」と言われています。
- ※「メタほう酸」は洗浄作用があり、目薬にも一部使用され、にきびにも効果があると言われています。
湯ざわり(入浴時)感触メーター(5段階評価)
つるつる | とろとろ | ||||||||||
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さらさら | もちもち | ||||||||||
しゅわしゅわ | ぴりぴり | ||||||||||
大浴場・内湯で判定 |
湯あがり(入浴後)感触メーター(5段階評価)
すべすべ | かさかさ | ||||||||||
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さらさら | ぺたぺた | ||||||||||
しっとり | ぽかぽか | ||||||||||
大浴場・内湯で判定 |
露天風呂からの眺望メーター(5段階評価)
眺望 | 雲仙温泉の森と街を見下ろすような解放感抜群の眺望 |
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浴場名 | 山照別邸 / パノラマ露天風呂「薫風の湯」 |
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評価 4 |
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源泉の利用状況
加水 なし |
加温 なし |
消毒 なし |
循環 なし |
入浴剤 なし |
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○ | ○ | ○ | ○ | ○ |
※全ての浴槽が源泉かけ流し |
源泉率 | 100% | ||||
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湯の入替 | 1日に1回 | ||||
源泉の湧出状況 | 泉質が同じ2本の自家源泉(自然湧出)を混合して使用 | ||||
源泉から湯舟までの距離 | 100m程度(敷地内で源泉が湧出している) | ||||
引湯方法 | パイプで引湯 | ||||
温度の調整方法 | 湯舟に注がれる湯量を調節 | ||||
飲泉 | 不可 ※保健所に飲用申請を不提出 | ||||
源泉かけ流し風呂 | 露天風呂×2・内風呂×2・客室露天風呂×9(本館2+別邸7)・貸切半露天風呂×2・貸切風呂×1 |
温泉成分表 温泉分析書
泉質名 | 酸性・含硫黄・鉄(Ⅱ ,Ⅲ ) ― カルシウム―硫酸塩泉(硫化水素型)(低張性 酸性 高温泉) 旧泉質名:酸性石膏硫化水素泉 |
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湯の色 | 微黄色~白濁 |
湯の香り | 硫化水素臭 |
溶存物質 | 1028.5mg/kg(ガス性のものを除く成分①+②+③の合計) |
泉温 | 52.0℃ |
pH値 | 2.3(酸性) |
湧出量 | 約240リットル/分 一人あたりの温泉利用量(湧出量/収容人数) :約2.4リットル/人(最大収容人数100人) |
温泉の成分(源泉1kg中に含有する分量)
①陽イオン | ミリグラム | ミリバル | ミリバル% |
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水素イオン(H+)★ | 5.1 | 5.08 | 38.45 |
カルシウムイオン(Ca2+) | 58.1 | 2.90 | 21.95 |
アルミニウムイオン(Al3+) | 21.0 | 2.33 | 17.65 |
アンモニウムイオン(NH4+) | 15.8 | 0.88 | 6.62 |
鉄(Ⅱ,Ⅲ)イオン(Fe2+,Fe3+)★ | 20.7 | 0.74 | 5.60 |
マグネシウムイオン(Mg2+) | 8.8 | 0.72 | 5.47 |
ナトリウムイオン(Na+) | 10.4 | 0.45 | 3.42 |
カリウムイオン(K+) | 3.6 | 0.09 | 0.70 |
マンガンイオン(Mn2+) | 0.5 | 0.02 | 0.14 |
計① | 144.0 | 13.21 | 100 |
②陰イオン | ミリグラム | ミリバル | ミリバル% |
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硫酸イオン(SO42-)★ | 590.2 | 12.29 | 90.75 |
硫酸一水素イオン(HSO4-) | 102.0 | 1.05 | 7.76 |
塩化物イオン(Cl-) | 5.7 | 0.16 | 1.19 |
よう化物イオン(I-)★ | 2.4 | 0.02 | 0.14 |
ふっ化物イオン(F-) | 0.2 | 0.01 | 0.08 |
チオ硫酸イオン(S2O3-)★ | 0.3 | 0.01 | 0.04 |
リン酸二水素イオン(H2PO4-) | 0.5 | 0.01 | 0.04 |
計② | 701.3 | 13.55 | 100.00 |
③非解離成分 | ミリグラム | ミリモル | |
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硫酸(H2SO4) | 1.3 | 0.01 | |
メタけい酸(H2SiO3)★ | 180.2 | 2.31 | |
メタほう酸(HBO2) | 1.7 | 0.04 | |
計③ | 183.2 | 2.36 |
溶存ガス成分 | ミリグラム | ミリモル | |
---|---|---|---|
遊離二酸化炭素(CO2) | 101.1 | 2.30 | |
遊離硫化水素(H2S)★ | 7.3 | 0.21 | |
計④ | 108.4 | 2.51 |
その他微量成分 | |||
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総ヒ素:0.01mg/kg未満・鉛:0.01mg/kg未満・亜鉛:0.09mg/kg・銅:0.01mg/kg未満・総水銀:0.0005mg/kg未満 |
★のマークがついているところは、「泉質名」に関わる成分と、「温泉」「療養泉」の資格条件になる成分です。
この泉質ならではの適応症(平成26年7月1日改定)
アトピー性皮膚炎、尋常性乾癬、耐糖能異常(糖尿病)、慢性湿疹、表皮化膿症、末梢循環障害、きりきず、冷え性、うつ状態、皮膚乾燥症
浴用の一般的適応症(平成26年7月1日改定)
筋肉若しくは関節の慢性的な痛み又はこわばり(関節リウマチ、変形性関節症、腰痛症、神経痛、五十肩、打撲、捻挫などの慢性期)、運動麻痺における筋肉のこわばり、冷え性、末梢循環障害、胃腸機能の低下(胃がもたれる、腸にガスがたまるなど)、軽症高血圧、耐糖能異常(糖尿病)、軽い高コレステロール血症、軽い喘息又は肺気腫、痔の痛み、自律神経不安定症、ストレスによる諸症状(睡眠障害、うつ状態など)、病後回復期、疲労回復、健康増進
この泉質ならではの浴用の禁忌症(平成26年7月1日改定)
皮膚又は粘膜の過敏な人、高齢者の皮膚乾燥症
浴用の一般的禁忌症(平成26年7月1日改定)
病気の活動期(特に熱のあるとき)、活動性の結核、進行した悪性腫瘍又は高度の貧血など身体衰弱の著しい場合、少し動くと息苦しくなるような重い心臓又は肺の病気、むくみのあるような重い腎臓の病気、消化管出血、目に見える出血があるとき、慢性の病気の急性増悪期
飲用の適応症
不可
分析日(上記の温泉成分表は下記機関の調査データより引用)
令和元年年7月31日(株式会社 三計テクノス)
- ※適応症・禁忌症に関しては、平成26年7月の改正の「鉱泉分析法指針」に準拠しています。
- ※宿よりデータを提供して頂きました。
「温泉」の資格20項目と「療養泉」の資格8項目
条件/成分(1kg中の割合) ※ひとつでも条件をクリアすれば「温泉」「療養泉」 |
A【温泉法】 「温泉」の条件(規定値) |
B【鉱泉分析法指針】 「療養泉」の条件(規定値) |
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1 | 温度(泉源から採取される時点) | 25℃以上 | |
2 | 溶存物質(ガス性のものを除く) | 総量1000mg以上 | |
3 | 遊離二酸化炭素(遊離炭酸) (CO2) | 250mg以上 | 1000mg以上(二酸化炭素泉) |
4 | リチウムイオン(Li+) | 1mg以上 | ― |
5 | ストロンチウムイオン(Sr2+) | 10mg以上 | ― |
6 | バリウムイオン(Ba2+) | 5mg以上 | ― |
7 | 総鉄イオン[Fe2+(鉄(Ⅱ)イオン/フェロイオン)+Fe3+(鉄(Ⅲ)イオン/フェリイオン)] | 10mg以上 | 20mg以上(含鉄泉) |
8 | マンガン(Ⅱ)イオン(第一マンガンイオン)(Mn2+) | 10mg以上 | ― |
9 | 水素イオン(H+) | 1mg以上 | 1mg以上(酸性泉) |
10 | 臭化物イオン(Br-) | 5mg以上 | ― |
11 | よう化物イオン(I-) | 1mg以上 | 10mg以上(含よう素泉) |
12 | ふっ化物イオン(F-) | 2mg以上 | ― |
13 | ひ酸水素イオン(ヒドロひ酸イオン)(HAsO42-) | 1.3mg以上 | ― |
14 | メタ亜ひ酸 (HAsO2) | 1mg以上 | ― |
15 | 総硫黄 (S) [HS-(硫化水素イオン)+ S2O32-(チオ硫酸イオン)+ H2S(遊離硫化水素)] | 1mg以上 | 2mg以上(硫黄泉) |
16 | メタほう酸(HBO2) | 5mg以上 | ― |
17 | メタけい酸(H2SiO3) | 50mg以上 | ― |
18 | 炭酸水素ナトリウム(重炭酸ソーダ)(NaHCO3) | 340mg以上 | ― |
19 | ラドン(Rn) | 20ナノキューリー以上 20×10-10Ci(キューリー)以上 20(20百億分の1キューリー単位)以上 =74Bq(ベクレル)/5.5マッヘ以上 |
30ナノキューリー以上(放射能泉) 30×10-10Ci(キューリー)以上 30(百億分の1キューリー単位)以上 =111Bq(ベクレル)/8.25マッヘ以上 |
20 | ラジウム塩(Raとして) | 10-8mg以上 1億分の1㎎以上 |
― |
この温泉・療養泉の資格条件 クリア数 | 7(20項目中) | 5(8項目中) | |
合計 12 ポイント ※最上級クラスの該当数! |
温泉の言い伝え/その他
伝承による効能
重労働の疲れ(昔、雲仙へ向かう急勾配の山道を登ってきた行商人だけでなく、かけ湯によって馬までも、この温泉によって元気を取り戻して家路に向かっていた)
この湯に浸かった歴史上の人物
思想家・吉田松陰(1830年~1859年)
この湯に浸かった著名人
多数の文化人・芸能人が訪れているがプライベートの為不記載
温泉の解説
「雲仙福田屋」の源泉は自家源泉であり、敷地内から自然湧出している。自然湧出とは、機械による動力揚湯を必要とせず、温泉が地表に湧き出ているという事。日本に源泉井戸数多しと言えども、自然湧出の温泉は少数。それは、地表に近いところに源泉があるという事であり、それだけ不純物が混じりあう可能性は少ない。
時代を遡れば、クルマが一般的になる昭和初期の頃まで、旅館で使う食材は、雲仙の勾配のきつい山道を馬を使って行き来する行商人たちによって運ばれていた。彼らの大変な重労働による疲労を癒していたのがこの温泉だったという。この宿の温泉に浸かるとシャキッと元気を取り戻すことができたそうだ。
また、湧出場所が敷地内であることも注目。敷地内で湧出しているということは湧出口から浴槽までの距離が近いということ。後述するが、この源泉は気体が溶け込んでいる温泉で、このような温泉は大気に触れることによる酸化が早い傾向がある。その点、湧出した源泉を新鮮なまま堪能できるのは嬉しいポイントなのだ。
この宿の全てのお風呂(内湯、露天風呂、貸切風呂、客室付き露天風呂)で源泉かけ流しにしている。
源泉かけ流しとは源泉が湯船に注がれたあと、溢れた分はそのまま排水溝へ流して捨ててしまう方法のこと。贅沢な湯使いと言えるが、この方法が最も温泉が本来持っているパワーを発揮できるシステムとも言える。
湯温も温泉を湯船に注ぐ量で調節しており、加水無しの100%源泉かけ流しが体感できる。
泉質名は「酸性・含硫黄・鉄(Ⅱ,Ⅲ)-カルシウム-硫酸塩泉(硫化水素型)」。
ちょっと長い泉質名だが、それは多くの温泉成分が含まれている証明でもある。 現在ニッポンでは、泉質名を10種類に分類しているが、この宿の泉質は「酸性泉」「硫黄泉」「含鉄泉」そして「硫酸塩泉」と、なんと4つの温泉の要素を備えているのだ。
まず「酸性泉」は、水素イオンが1mg/kg以上含有されているのが条件だが、この宿の温泉はなんと5.1mg/kgも入っている。「酸性泉」は殺菌作用が非常に高く、肌表面のトラブルの原因を広く取り除くので、「皮膚病の湯」と言われている。尋常性乾癬、耐糖能異常(糖尿病)、表皮化膿症などにいい。さらに白癬(はくせん)症、トリコモナス膣炎、疥癬(かいせん)等にも効果があるという。
特にアトピー性皮膚炎の方にオススメだ。
アトピー性皮膚炎の炎症部位には、黄色ブドウ球菌が多く存在していて、「酸性泉」はこの菌の繁殖を抑制するのだ。
次に「硫黄泉」だが、こちらは総硫黄(硫化水素イオン+チオ硫酸イオン+遊離硫化水素)が、2mg/kg以上含まれているのが条件。ここでは遊離硫化水素が主成分のため、硫黄泉でも「硫化水素型」と呼ばれる。pHも酸性となり、湯の色も乳白色になる事が多い。
「硫黄泉」の特長は幅広く、まず「美肌の湯」の代表格とも言える。古い角質層にあるメラニンを分解し、シミ予防に役立ち、さらに美白効果も期待できるのだ。
そして「酸性泉」と同じく、アトピー性皮膚炎、尋常性乾癬、表皮化膿症にいいとされ、さらに、慢性湿疹も加わる。
さらに硫化水素型の硫黄泉は末梢毛細血管を拡張させるため動脈硬化症、高血圧症にもいいとされる。「生活習慣病の湯」と呼ばれる所以である。
また、硫化水素ガスを含む温泉は換気の悪い浴場では危険な場合もあるが、痰の切れをよくしたり、ぜんそくを和らげたりするので「痰の湯」と表現される場合もある。
気を付けなければならないのは、指輪やネックレスの金属類は硫黄成分による変色があるので、入浴の際は必ず外すことを覚えていてほしい。
3つ目の「含鉄泉」とは、温泉水1kg中に、総鉄イオン(鉄Ⅱ+鉄Ⅲ)を20mg以上含有しているのが条件。※総鉄イオンとは[Fe²⁺(フェロイオン)+Fe³⁺(フェリイオン)]
鉄分を規定値以上含む温泉は全国的に見ても希少。貧血、更年期障害、月経障害、冷え性など女性に見られがちな症状に効果があるので「婦人の湯」と呼ばれている。
また、入浴するとよく温まるので、リウマチ性疾患、子宮発育不全、慢性湿疹、苔癬(たいせん)等に効果があるとされている。
4つ目の「硫酸塩泉」は、陰イオンのなかで硫酸イオンの含有率が一番多く、ガス性のものを除く溶存物質の合計が1,000mg/kg以上の泉質のこと。
特にここでは、カルシウムイオンと結びつき「カルシウム-硫酸塩泉(石膏泉)」の作用として、痛みや炎症を和らげる鎮静作用があり、高血圧症や動脈硬化症など、血管系の症状に効果があると言われる。そのことから「脳卒中の湯」とも呼ばれ、さらに、末梢循環障害、冷え性、皮膚乾燥症にも効き目を発揮する。
また、カルシウムイオンは角質層の形成・再生を促す働きがあり、硫酸イオンは肌の弾力機能を高めて蘇生効果もあり、シワができるのを防ぐ働きがある事で、「アンチ・エイジングの湯」と呼ばれ、全述の「硫黄泉」と同じく「美肌の湯」の仲間に入る。さらに、きりきずにもいいとされ「傷の湯」とも称される。そして、カルシウムイオンの鎮静効果も相まってメンタルにもいいという事で、うつ状態も泉質別適応症に入る。
以上の4つのメインの泉質の他に、注目したいのが「メタけい酸」。
これは、50mg/kg以上含有すれば、温泉の資格を有するが、ここでは180.2mg/kgもある。
保湿効果を持つ成分で、これも美肌の湯と言われる条件のひとつとされる。
「雲仙福田屋」の温泉を、改めて数字で評価すると、温泉の条件とされる基準値を超えている項目の多さに驚く。マルチ型の温泉でもあるし、それでいて中身の濃い温泉でもある。
それゆえ、湯あたりしやすい温泉でもあるから注意が必要だ。最初に入る際は、長湯は禁物。徐々にカラダに慣れさせるのが賢明だ。
男女別露天風呂「せせらぎの湯」 | 山照別邸「福」の客室露天風呂 |
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男女別の露天風呂は野趣溢れる岩風呂となっている。豊かな緑に囲まれており、白濁した温泉とのコントラストが美しい。開放感あふれる雰囲気で、極上の湯浴みが楽しめるだろう。 | 山照別邸の一番グレードの高い客室「福」の露天風呂。解放感抜群の広々とした露天風呂はまさに“非日常”の贅沢なひとときを味わえる。もちろん源泉かけ流しだが、余りの心地よさに長湯にはご用心。 |
男女別大浴場「白雲の湯」 | 貸切風呂「火の木の湯」 |
宿から徒歩15分の場所にある神秘的な小さな池「白雲の池」からその名を付けられた男女別大浴場。あつ湯とぬる湯、2つの湯船に分かれており、お好みの温度で入浴することができる。 | 屋根の付いた半露天型の貸切風呂。檜造りの湯舟は、落ち着いた雰囲気を感じさせる。宿泊客は予約制で、無料で利用できる。 |
宿レポート
長崎県は島原半島中央部に位置する雲仙温泉。開湯は701年(大宝元年)とされ、僧・行基によって温泉山満明寺が建立されたことから始まりといわれている。1695年(元禄8年)には、雲仙で最初の宿が創業し、江戸時代中期に温泉地として開発された。幕末には、明治維新の指導者として知られる吉田松陰も湯治に訪れたという。また、シーボルトやケンベルらによって海外へも紹介され、世界的に認知されるようになる。
その雲仙のシンボル的な場所が、雲仙地獄だ。至る所から高温の温泉と噴気が激しく噴出し、強い硫黄臭が漂う中、湯煙をもうもうと立たせている。「雲仙福田屋/山照別邸」は、その雲仙地獄からすぐの場所に建つ。
この宿は、大型の旅館が並ぶ雲仙温泉の中では比較的小さな宿だが、その充実したサービス内容は雲仙一との呼び声も高い。
温泉は全て源泉100%かけ流しであるし、濃厚な成分がある。湯浴みをするとカラダの力を呼び起こすかのような、大地のパワーを感じる源泉なのである。
また、料理のレベルも高い。そもそも島原半島は「日本の胃袋」と呼ばれることもあり(ちなみに、島原半島は胃袋そっくりの形をしている)、海のものも畑のものも、食材の品質が高い。旬の素材をふんだんに使った夕食は、バリエーションに富んでいる。
宿全体が温かい雰囲気が雰囲気に包まれており、宿泊客を和ませてくれる。ファミリーから小さな子ども連れのファミリー、若いご夫婦やカップル、観光目的の女性グループまで包み込んでくれる要素がある。 「ふろでゆっくり」「くつろいで」「だれもが和む」「やどが福田屋」の頭文字を繋げると「福田屋」となる。まさにこの宿にふさわしいキャッチフレーズと言えるだろう。
最近ではラグジュアリーな露天風呂付き客室を備える「山照別邸」を誕生させ、話題を呼んだ。
本館の客室も次々と改装を施し、リピーター客をどんどん増やしている印象だ。とにかく、この宿には居心地の良さと現代的なデザインを加味した空間は「楽しさ」「ワクワク感」を刺激する。
オーナー福田努氏は温泉をベースに、常に新しいサービスを考え、いかにお客に喜んでいただけるか思考し、そして実践している。一泊だけでは物足りなくなる。「雲仙福田屋/山照別邸」は、間違いなく、雲仙温泉に新しい風を吹き込んでいる。
宿泊レポートはコチラ
料金データ
1泊2食料金 | ¥17,050~ |
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1泊朝食料金 | 設定なし |
素泊り | ¥9,900~ |
一人泊 | ¥22,700~ |
宿泊時の貸切風呂料金 | 宿泊客は無料 |
日帰り | 大人¥1,000 子供¥500 3歳未満無料 |
日帰り貸切温泉 |
「火の木の湯」¥1,500 「三太郎湯」¥1,000 「溶岩の湯」¥1,500 |
宿データ
創業 | 昭和43年 |
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チェックイン | 15:00 |
チェックアウト | 10:00 |
宿の立地環境 | 山・街 |
部屋数 | 全34室 |
収容人数 | 100名 |
駐車場 | 50台 |
施設 | 売店・カフェ・バー・卓球コーナー・プライベートジム |
インターネット | 全館Wi-Fi 利用可 |
バリアフリー | 非対応 |
シャワー付きトイレ | 完備 |
交通アクセス
電車 | ・飛行機でお越しの方 長崎空港~小浜経由でバス「雲仙」下車(約115分) ・JRでお越しの方 JR諫早駅~雲仙・小浜・口之津方面バス「雲仙」下車(約75分) |
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送迎 | なし |
クルマ | 博多方面・・・長崎自動車道~諫早IC~国道57号線(2時間30分) 熊本方面・・・熊本新港でフェリーに乗船~島原港~国道57号線(2時間) |
住所 | 長崎県/雲仙温泉/雲仙福田屋/山照別邸 〒854-0621 長崎県雲仙市小浜町雲仙380-2 TEL:0957-73-2151 |
- データ制作
- 2024/06/18